diary/20070621
MS IGLOO
バンダイチャンネルでMS IGLOOを見た.試作戦車ヒルドルブが登場する第2話では,私が以前から指摘していた陸戦ではMSより戦車の方が強いが証明された形になった.ヒルドルブの主砲は300mmで,APFSDSを使って10kmの距離からMSを破壊できる.私の計算では120mm砲でも余裕でMSを破壊できるので,300mm砲で10km遠方から撃破というのは現実的だ.ただし,ヒルドルブの車重が220tというのは軽過ぎだ.MSの60tというのに比べると十分重いのだが,普通の戦車が全長10mで60tあるのに,全長35mもあるヒルドルブが220tというのはおかしい.戦車よりスリムな形状(スェーデンのSタンク風)だというのを差し引いても,ヒルドルブは1000t以上になるはずだ.劇中ではザクマシンガンの120mm弾をはじき返していたが,220tでは装甲は紙のように薄いはずだから,そんなことができるはずがない.いっそのことナスホルンのような軽量自走砲という設定にした方が良かった.そうすれば,戦いの最後の方で自らのHE弾射撃で車体の向きを変えるという荒業も現実感が出て良かった.部分的に反応式装甲くらいは付けても良いが.
機械屋の細かいつっこみはこれくらいにしておこう.ストーリーは十分に面白く,CGの描写は人物表現に難があるがそれも許容範囲なので,作品としてはMS IGLOOは合格点だ.戦車でMSを倒すという機械屋にとっては当たり前だが,アニメマニアには想像もつかない事実を見せてくれたことは特に評価したいと思う.第08MS小隊でマゼラアタックの175mm砲でHEAT弾を使って陸戦型ガンダムと互角に渡り合ったという話の方が戦車復権という点では古いのだが,戦車でMSを圧倒したというのは今回のMS IGLOOが初めてだ.