diary/20061111
ナショナリズム昂進アニメ?
まったく期待していなかったのに偶然見てしまい、それ以来楽しみにしているのがコードギアス反逆のルルーシュだ。このあからさまな日本=被害者、米国=加害者=悪のストーリーは、韓国映画のように単純なのだが、日本人としてはついつい感情移入してしまう。この時期にこのようなアニメが放映されるのも、本人の努力とは比例せずに貧富の差が広がっている社会情勢を反映しているためだと思う。
かわぐちかいじ氏の沈黙の艦隊もナショナリズム昂進とは言わないが、同じように日本人として感情移入できる作品だった。同じ流れをジパングにも期待していたのだが、この作品はストーリーが迷走してしまい、もはや読むに耐えないものとなってしまった。最近は読んでいない。氏の最近の作品では太陽の黙示録はまだ鑑賞に耐え得るので氏のストーリー構成力が落ちたとは考えられないが、ジパングはどこでボタンをかけそこねたのだろうか。みらい副長である角松の脊髄反射的な分別のないいきあたりばったりな行動と、その結果として当時の日本人に人的被害を及ぼしている辺りが読者から総スカンを食っているのだとは思う。かわぐち氏は、彼の一見意味不明な行動が彼の深慮遠謀の結果だということをいつか明かしてストーリーに深みを与えるつもりだったのだろうが、どのような理論を組み立てようが彼の行動を正当化できなくなってしまった今となってはそれもかなわない。もはや連載を打ち切りか無期限中断にした方が良いのではないかと思えてしまう。